末廣昭文庫【準備中】

*この資料は現在整理、登録中です。公開・閲覧はアジア研究図書館開館までお待ちください。
 
 

東京大学社会科学研究所教授でアジア経済研究者の末廣昭(すえひろ・あきら:1951-)氏の寄贈コレクションです。

タイ語書籍が約2200冊、洋書が約300冊あり、タイの経済、経営、商業に関する書籍が中心となっています。

末廣昭氏はアジア経済研究所在籍時よりタイ経済を専門としており、その蔵書はタイの経済関係書籍、同定期刊行雑誌、統計資料、タイ人によって書かれた学位論文の複製版、華人経営者に関する資料にまたがっています。特に、経済、経営に関する雑誌としては、『Phu Catkan』(経営者)という広く知られた雑誌が1983年の創刊号から2008年の第302号まで揃っています。また、『Kangoen Thanakhan』(金融)という業界雑誌も、2000年の第219号から2012年の第368号までが揃っています。そのほか、華人経営者について書かれた『Hua Shang』(華商)なども含めると、経済、経営関連雑誌の数は合わせて約400冊にのぼります。

また注目すべきは、250冊あまりにのぼる「葬式頒布本」(略して葬式本)のコレクションです。タイ語でナンスー・チェークと呼ばれるもので、ある人物の葬儀に際し、当該人物の経歴や社会的業績を紹介した本や小冊子を参列者に配布したものです。もともとは王族や貴族が亡くなった際に法令や文書を編纂したことに始まりますが、やがて官吏や華僑商人の間にも広がっていきました。伝記的な経歴や追悼文だけではなく、その人物にまつわるテーマ(特に仕事)についての歴史や情報が記載されているほか、古典文学や地誌などを含むことも多くあります。その意味で、歴史資料や法令集としての価値のほか、経済史、社会史研究にとって見逃すことのできない貴重な資料となっています。

そのほか、チュラーロンコーン大学をはじめとする複数の国立大学の修士論文(1970~80年代のもの)が約70冊あり、ジャンルとしてはタイの経済、商業、歴史に関するものが主となっています。また、同時期のタマサート大学経済学部の紀要も約100冊あります。以上が寄贈図書コレクションの特色ですが、タイ経済の研究はもちろん、タイ地域研究にとって有益な統計データ、歴史資料を豊富に含んでおり、幅広い分野で活用できると言えます。

 

 

現在末廣研究室に置かれている資料群。これらは将来アジア研究図書館に移管される。

書棚に並べられた葬式本。