研究テーマ
専門は歴史学(東洋史学)。ポスト=モンゴル時代(14~17世紀)の東北アジア史、とくに当時活躍したツングース系の狩猟農耕民であるジュシェン(女真・女直。のちにマンジュ[満洲]と改称)とよばれる人々が歴史に形成してきた集団の権力構造や、かれら内陸アジア系の諸勢力と朝鮮王朝との間に結ばれた歴史的関係について、朝鮮王朝時代の史料と満洲語史料を組み合わせることで研究している。
このような研究を通じて、中央ユーラシア史と東アジア史をつなぐ観点から、朝鮮半島や日本列島を含む東北アジアの歴史をユーラシア史や世界史の中に位置づけなおすことを目指している。
このほか、東京大学所蔵の満洲語資料について調査・分析を進めており、それに基づいて近代日本における「満洲(史)」研究の史学史的位置付けについても構想している。
経歴
大阪大学文学部人文学科東洋史学専修卒業、大阪大学大学院文学研究科文化形態論専攻博士前期課程修了、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了。博士(学術)。
主要業績
・(共著論文)林慶俊・中井勇人「壬辰戦争期に加藤清正と遭遇したワルカ系領主家系」、川西裕也ほか編『壬辰戦争と東アジア』東京大学出版会、2023年3月、291頁-321頁。
・中井勇人「ポスト=モンゴル時代東北アジアにおける国家形成と建州女直――朝鮮王朝建国史と大清帝国形成史の架橋――」博士論文、東京大学、2025年3月。