この資料は、2014年6月、東京の古書店より購入した、植民地期(1910~45年)の朝鮮半島の地図(合計約180点)です。現在、整理作業を進めており、将来的にはデジタル化の上公開する予定です。
これらの地図の大部分は、郡単位の地図(日本陸軍参謀本部の陸地測量部が作成した「5万分の1地図」など)を筆写して作られており、着色や書き込みなども見られます。地図の収録範囲は、黄海道を除いた、朝鮮の各道(京畿道・江原道・忠清南北道・全羅南北道・慶尚南北道・平安南北道・咸鏡南北道)に及んでいます。
地図には封筒が50点ほど付いていましたが、おそらく、これらの封筒に、地図が分類して入れられていたものと思われます。残念ながら、購入時には、地図はすべて封筒から出されていました。
注意をひくのは、封筒に「中枢院」「博物館庭園設計」など、朝鮮総督府中枢院(1910~45年)や朝鮮総督府博物館(1915~45年)などの組織と関わる書込みが見られる点です。
また、「慣習調査」「大正五年度古蹟調査計画」「百済ノ遺跡調査資料」などと記された封筒もあり、これらの書込みから推測すると、この地図はおそらく、朝鮮総督府の諮問・調査機関であった中枢院、もしくは博物館の関係者が古蹟調査業務用に作成・利用したものと思われます。
朝鮮総督府旧蔵封筒
地図封筒
龍岡郡一覧図
鉄山郡略図