「東京大学所蔵水滸伝諸版本に関する研究 」
代表:荒木達雄
<研究概要:2020〜2021年度>
東京大学には水滸伝の各種版本が豊富に所蔵されている。このなかにはこれまでその利用が必ずしも便利とは言えなかったものも少なくない。研究資料利用の便を高め、より多くの研究者が資料にアクセスできる環境を整備することを通して、研究の質の向上に貢献するべく、U-PARLは東京大学の所蔵する水滸伝版本のデジタル画像作成と公開に取り組んでいる。こうして利用がより容易になった水滸伝諸版本を今後の研究にいかに取り込んでいくかが本プロジェクトの出発点である。
本プロジェクトではすでにさまざまなジャンルの研究業績、知見を有する研究者に、それぞれの角度から東京大学所蔵水滸伝版本を利用した研究テーマを設定し、研究をすすめていただいている。こうした研究者同士が意見を交わすことで研究が進展し、新たな研究テーマが生まれることも期待できよう。また、研究をすすめる過程でデジタル画像を利用した研究の可能性、問題点などを検討し、今後のデジタル資料と人文研究との関係のありかたについても提言を行っていければと考えている。
<U-PARLスタッフ> |
<共同研究員> |
上原究一 (兼務教員)
荒木達雄 (特任研究員)
中尾道子 (特任研究員) |
井上浩一 (東北大学フェロー)
笠井直美 (名古屋大学准教授)
小松謙 (京都府立大学教授)
佐髙春音 (東京大学助教)
孫琳浄 (立命館大学講師)
中村覚 (東京大学助教)
馬場昭佳 (学習院大学非常勤講師) |
ほか、研究協力者1名
<活動記録> 所属・肩書はすべて開催時点でのもの
2020年9月16日 第一回会合(オンライン) テーマ座談会:「8月8日シンポジウムにおける小松先生・中原先生のご講演をめぐって」 ほか
2021年3月6日 第二回会合(オンライン) 研究報告:佐髙春音(慶應義塾大学非常勤講師)「金聖歎本『水滸伝』の“視点”に関わる表現技法について」 ほか
2021年6月26日 第三回会合(オンライン) 東京大学アジア研究図書館デジタルコレクション「水滸伝コレクション」へのテキストデータ付与に関する検討会 ほか
2021年8月7日 第四回会合(オンライン) 研究報告:孫琳浄(立命館大学外国語嘱託講師)「江戸期における水滸伝の受容-唐話学習と書き入れをめぐって」 ほか
2021年11月3日 第五回会合(オンライン) 研究報告:上原究一(東京大学准教授)「文繁本『水滸伝』挿画の特色について」 ほか
2021年12月22日 第六回会合(オンライン) 『鍾伯敬先生批評忠義水滸伝』解題案の検討、「百回本『水滸伝』版本呼称の整理」に関する討論 ほか
<業績・成果公開>
2021年9月11日 第二十届中国古代小説戯曲文献暨数字化学術研討会(開催地:広東・広州大学)にオンライン参加し、「東京大学蔵《水滸伝》版本数字化計画現状」と題して、荒木達雄が作成中の「水滸伝版本対照プログラム」の状況について報告。
2021年11月13日 第17回文化交流史:「観念的旅行」国際学術研討会(開催地:台湾・輔仁大学)にオンライン参加し、荒木達雄が「日本人如何閲読『水滸伝』?―以『水滸伝全本』為例」を口頭報告。
2022年8月1日 成果報告集を刊行