12月10日に、駒場キャンパスにおいて、台湾漢学リソースセンター(Taiwan Resource Center for Chinese Studies)の開設に関わる覚書が本学附属図書館と台湾国家図書館の間で交換され、その調印式と除幕式に、U-PARLのメンバーも参加しました。
調印に先立ち、台湾国家図書館の曾淑賢館長、臺北駐日経済文化代表處の徐瑞湖副代表、本学附属図書館の古田元夫館長、本学総合文化研究科の石井洋二郎研究科長、本学駒場図書館の酒井哲哉館長により挨拶と祝辞が述べられました。また、今回の本学での開設を記念し、台湾国家図書館から『註東坡先生詩 存十九巻二十冊』と『金剛般若波羅蜜経 一巻』の複製が寄贈されました。
台湾国家図書館がグローバルな展開を目指し、2012年に発足した台湾漢学リソースセンター(TRCCS)は、すでにSOASやワシントン大学をはじめとする世界11カ国の大学に開設されています。日本の研究機関に開設されるのは今回が初めてのことで、東京大学は世界で12カ所目となります。
TRCCSに関する詳細は公式ウェブサイトをご参照ください。
TRCCSが設置された機関では、台湾で出版された学術書、視聴覚資料、漢学資料に関するデジタルリソースが利用可能となります。今回東京大学に開設されたTRCCSは、アジア研究図書館がオープンするまでの間、駒場図書館に設置されることになりました。
調印式につづき、駒場図書館の書庫において除幕式が行われ、その後ワークショップと懇親会が開かれました。ワークショップでは、留学生からも積極的に質問がなされました。
今回の調印式において、曾館長が挨拶の冒頭を日本語でお話しされていたのが印象的でした。学術交流の場において、相手国の言葉や文化を尊重し理解しようとするお気持ちが感じられました。また、アジア研究図書館開館までの準備にあたって、利用する側の研究者や留学生の意見を取り入れていくことも大変重要だと感じました。
TRCCSの開設が、本学、さらには日本における今後の台湾研究、漢学研究にとって大きな一歩になることを願っています。
U-PARL特任研究員:宇戸 優美子