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東京大学附属図書館アジア研究図書館
上廣倫理財団寄付研究部門
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須永恵美子特任研究員が執筆に加わった『イスラーム信頼学へのいざない』が刊行されました

須永恵美子特任研究員が執筆に加わった『イスラームからつなぐ1 イスラーム信頼学へのいざない』が東京大学出版会より発行されました。

須永特任研究員は「第3章 異なることばをつなぐ言語――インド洋世界におけるウルドゥー語の役割」を執筆しました。南アジアでは、ムスリムがイスラームについて学ぶ際に、母語に関わらずウルドゥー語を選択する傾向があるそうです。本章では、クルアーンの各国語訳を通じて、「イスラームを学ぶための言葉」と「ムスリムの共通語」について考察しています。

出版社(東京大学出版会)のサイトはこちら

「イスラーム的コネクティビティに基づいた信頼構築」とはいかなるものなのか。国家体系や経済、境域における翻訳と規範の変容、思想と戦略知の展開、移民が形成するコミュニティ、紛争地域での平和構築、人文情報学の可能性といった切り口から全8巻のシリーズのねらいを総合的に論じる。」(出版社サイトより)

序章 イスラームから考える「つながりづくり」と「信頼」――今後の世界を見通す鍵として(黒木英充)
第1章 瀬戸内から世界に広がるつながり――ある日本人ムスリムの足跡をたどる(岡井宏文)
essay1 他者を理解するために必要なこと――幕末の「日本人」のイスラーム経験から(黒田賢治)
第2章 多様なひとびとをつなぐ翻訳――イスラームの各地への展開と知の伝達(野田 仁)
第3章 異なることばをつなぐ言語――インド洋世界におけるウルドゥー語の役割(須永恵美子)
第4章 未来を拓くイスラーム経済のつなぐ力――その思想と歴史から学ぶ(長岡慎介)
第5章 イスラームで国をつくる――宗教・国家・共同体(近藤信彰)
essay2 宗教がひしめきあう都市で人がつながる――18世紀イスタンブルの公衆浴場から(守田まどか)
第6章 不信から生まれる信頼――モロッコ、ベルベル人の「寛容」を中心に(池田昭光)
essay3 信頼と不信が垣間見えるとき――シリアで見聞きしたこと(黒木英充)
第7章 信頼のためのイスラーム思想と戦略――現代南アジアにおける政治運動の正当化(山根 聡)
essay4 中東で政治的な信頼をはかる――イラクでの世論調査から考える(山尾 大)
第8章 神の教えの実践とヴェール――信頼から信仰を読み解く(後藤絵美)
第9章 「テロリスト」に対する暴力による解決と信頼のゆくえ――フィリピンからの問い(石井正子)
第10章 見えないつながりを描き出す――デジタル人文学の可能性(熊倉和歌子)
essay5 保育園で「つながり」を考えてみた――双方向的探究から広がる新しい世界(太田(塚田)絵里奈)

付録 文献リストとサイト案内(荒井悠太)

『イスラームからつなぐ1 イスラーム信頼学へのいざない』
黒木英充・後藤絵美 編
東京大学出版会 2023年3月
ISBN:978-4-13-034351-0

 

April 5, 2023