澤裕章特任専門職員が2025年12月10日から12日にかけてトルコ、イスタンブルで開催された第1回国際写本シンポジウム(1st International Manuscript Symposium)https://www.yek.gov.tr/yazmaesersempozyumu/ において研究報告を行ないました。
本シンポジウムは、27のセッションで100を超える研究発表が行われ、総勢200名以上が参加する非常に大規模なシンポジウムとなりました。
各セッションでは写本の保存修復といった写本の写本研究の伝統的手法だけでなく、AIによるオスマン語文書の手書き文字認識、TEI規格によるアラビア語写本の電子化などデジタル人文学的な方法が提案されました。他方で、対象とする地域も欧米やトルコに限らず、マリやウズベキスタン、タジキスタンなど幅広い地域の図書館における写本研究の現状が報告されました。
澤特任専門職員は、昨年度からU-PARLが主導するダイバーコレクションのデータベース再構築事業に関して、コレクションの概要、現行データベースの問題点とベータ版データベースの改良点を挙げながら、同コレクションに含まれる医学文献の情報整理、今後の利用可能性に関して報告を行ないました。
トルコ、アメリカ、イギリス、フランス、日本、イラン、エジプトなどから研究者が参加した本シンポジウムでは、世界各国の図書館関係者や写本研究者と交流し、多様な視座を得ることができました。中でも、最終日には「デジタル時代における写本の未来」と題したラウンドテーブルが開催され、各国の図書館・研究機関の代表者により、デジタル化の推進、国際的な目録作成協力、オープンアクセスの拡大などについて活発な議論が交わされ、U-PARLとしても世界的な潮流に沿った図書館の在り方を考える場になりました。
また、今回のシンポジウムでの発表にあたり、ハンス・ダイバー教授のご家族のVerena氏とHelga氏がトルコまでお越しになりお会いする機会に恵まれました。お二人とはダイバーコレクションの将来的な展開についてお話し、現在のプロジェクトの展望を共有しました。

7.Jan.2026
