【報告】アジアンライブラリーカフェno.005「北米の大学図書館とサブジェクト・ライブラリアンのお仕事」

 

アジアンライブラリーカフェの第五弾は、ワシントン大学の田中あずさ氏をお招きして、日本でも関心が寄せられている北米のサブジェクト・ライブラリアンの業務についてお話しいただきました。


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ASIAN LIBRARY CAFÉ: 005

「北米の大学図書館とサブジェクト・ライブラリアンのお仕事」

講師:田中あずさ 氏(ワシントン大学東アジア図書館日本研究専門司書)

2018年11月19日(月)17:30〜19:00

会場:東京大学総合図書館別館地下1階ライブラリープラザ
本郷キャンパス(東京都文京区本郷7-3-1)

 

 


第5回目となる今回のAsian Library Caféでは、『サブジェクト・ライブラリアン―海の向こうアメリカの学術図書館の仕事―』の著者であり、アメリカのワシントン大学東アジア図書館で日本研究のサブジェクト・ライブラリアンとして活躍されている田中あずさ氏を迎えて、日本では馴染みの薄いサブジェクト・ライブラリアンの業務についてお話いただきました。

当日は小雨が降り始める中、事前申し込みの40名を含む多数の参加者がライブラリープラザを訪れ、田中氏の話に耳を傾けました。

 

田中氏は、まず、アメリカの大学図書館で、どのようにしてサブジェクト・ライブラリアンという主題や地域のスペシャリストが必要となってきたかについて、その背景を概観し、次に、自分がなぜ、どのようにして日本研究ライブラリアンになったのかについてお話しされました。

北米でライブラリアンになるために必要な資格(図書館情報学修士)を取得するためのライブラリースクールを受験するにあたって、学校を選ぶポイント、またそこでどのような学習を行ったか、そしてワシントン大学で日本研究ライブラリアンの職に応募する際、どのようなプロセスで選考されたか、などの実体験にもとづくお話は、今後アメリカでライブラリアン職を目指す人にとっても参考になる有益な内容でした。

講演の途中では、現在ワシントン大学からサバティカルで東大に滞在し、建築の研究を行っているケン・タダシ・オオシマ准教授をゲストに迎え、アメリカの大学教員の立場から、サブジェクト・ライブラリアンの仕事がいかに重要かについてコメントをいただく一幕もありました。オオシマ准教授は、日本とアメリカでの研究方法の違い、教員や学生がいかにライブラリアンを必要としているかということを強調されました。

また、高度専門職であるサブジェクト・ライブラリアン自身がどのような研究を行っているかについて、外邦図資料や非白人図書館員の職場環境に関する研究の具体的な紹介がありました。

日本の大学図書館界でもサブジェクト・ライブラリアンの必要性を訴える声は存在してきたものの、制度としては確立されておらず、サブジェクト・ライブラリアンの具体的な仕事内容についてはあまり知られていません。今回の講演は、サブジェクト・ライブラリアンの業務について具体的に語っていただくとともに、日本でサブジェクト・ライブラリアンを実現するにはどのような課題があるかについても示唆に富んだ有意義な講演会となりました。

質疑応答の時間には、図書館員や学生、古書店経営者など様々な参加者から質問があり、サブジェクト・ライブラリアンという仕事についての関心の高さが窺われました。