「壬辰戦争からみる16・17世紀東アジア」
代表:中尾道子
<研究概要:2020〜2021年度>
本研究では、16・17世紀東アジアの社会・経済・文化の全体に広く重大な影響を及ぼした壬辰戦争について、一国史の枠を超えて幅広く共有できるテーマを設定することで、新しい視点から再検討を行う。まず、日本に現存する壬辰戦争の関連資料を網羅的に調査・研究し、これらの成果をもとにした新たな切り口(朝鮮王子と日本軍の動向など)から壬辰戦争の展開を分析する。その上で、日中韓をはじめ広い地域の関連研究者と協働し、16・17世紀の東アジアにおける壬辰戦争の新たな位置付けを提示する。研究成果の公開として、壬辰戦争の際に日本軍の捕虜となった朝鮮の王子(臨海君・順和君)が日本の武将や僧侶に宛てた文書(書簡や詩文を含む)などを題材に、令和3年2月に史料編纂所との共催によるシンポジウムを開催する。最終的には、シンポジウムの登壇者に加え、古文書学・国際交流史・経済史・思想史・美術史など多分野の研究者に寄稿を仰いで、最終年度に論文集としてこの成果を出版する予定である。
<共同研究員>
川西 裕也(新潟大学現代社会文化研究科)
木村 拓(鹿児島国際大学国際文化学部)
辻 大和(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院)
中井 勇人(東京大学総合文化研究科)