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東京大学附属図書館アジア研究図書館
上廣倫理財団寄付研究部門
Uehiro Project for the Asian Research Library

COLUMN

【世界の図書館から】シンガポール国立大学中央図書館・華語図書館

外観

シンガポール国立大学中央図書館・華語図書館(シンガポール)

富塚あや子

早稲田大学アジア太平洋研究科博士課程

 

シンガポール国立大学図書館は、7館から構成されている。今回はその中から、中央図書館(Central Library)と、隣接する華語図書館(Chinese Library)を紹介したい。この2館は内部で繋がっており、自由に行き来が出来るようになっている。

なお、筆者はベトナム研究を専門としているが、今回幸運にもシンガポール国立大学での短期研修の機会を得た。したがって、専門的な蔵書紹介等は参考文献(本稿末尾参照)に任せ、短期間の滞在での利用方法に絞ってレポートしたい。

 

利用方法

申請

事前に氏名・所属・利用目的・利用期間を明記の上、 askalib@nus.edu.sgへ連絡し、入館許可を得る。

対応は迅速だが、余裕をもった問い合わせが望ましいだろう。

短期利用の研究者・学生の場合、無料で入館できるが、貸出等に必要なIDは取得できない。(シンガポール在住者等に向けた年間メンバーシップサービスも提供しているが、こちらは有料である。)

 

入館

出入口は4階にあり、1階からエレベーターを使うと簡単だ。受付にスタッフが常駐しているので、入館許可を得たメールを印刷したものと、パスポートなどの身分証明書を合わせて提示する。

 

検索

館内のPCから「FindMore@NUSL」という検索システムを利用すると、蔵書だけでなく、NUSが契約している各データベース内も一括で検索できる。ただし、短期利用の場合にはIDが無いため内容までは閲覧できない。

蔵書のみを検索する場合には、「LINC (NUS Library INtegrated Catalogue)」を選択すればよい。

なお、これらの検索システムは館外からでも利用できる。選択した引用形式で検索結果を出力し、印刷もしくは指定のメールアドレスへ送信できるため、大変便利である。

 

閲覧

検索結果に「AVAILABLE」と表示された資料は、開架書庫で自由に閲覧できる。マイクロフィルム・マイクロフィッシュ・視聴覚資料・閉架書庫の図書等は「REQUEST ITEM」と表示される。IDが無い場合、システムからのリクエストはできない。資料番号をメモして4階の貸出デスクへ向かい、短期利用者である旨と氏名を伝えると、リクエストを受け付けてくれる。あとは、指定された時間帯に資料を受け取りにいけばよい。また、メールアドレスを伝えておけば、用意が出来次第連絡してくれる。

 

複写

5階にコピー機が設置してある。料金は1ページあたり3セント。コインまたはEZリンクカードという電子マネーでの支払いに対応している。EZリンクカードは空港、駅、コンビニエンスストアなどで購入でき、MRTやバスの運賃、様々な店舗での支払いなどにも利用できる。

 

返却

開架書庫の図書は、随所にある返却コーナーに置いておけばよい。貸出デスクで借りたものは、貸出デスクに返却する。

sekato1書架の随所にある返却コーナー

 

館内紹介

5

・シンガポール・マレーシアコレクション

・レファレンス資料

・定期刊行物

・華語図書館への連絡通路

・セルフコピー・コーナー

・インフォメーション・サービス

 

シンガポール・マレーシアコレクションには、同地域に関連する一次資料・一般図書・学位論文が集められている。自由に読むことができるが、コレクション外へ持ち出すことはできない。コピーは可能。華語図書館には、53万冊の華語資料に加え、2012年10月に中央図書館から移管された日本語資料も所蔵されている。

 

4階

・新刊書コーナー

・マイクロフィルム・マイクロフィッシュ閲覧コーナー

・視聴覚資料閲覧コーナー

・PCコーナー

・貸出デスク

 

3

・一般図書

 

英語の書籍を中心に、各国語の書籍が図書分類法に従って並んでいる。

閲覧室閲覧室

アクセス

12 Kent Ridge Crescent, Singapore 119275

電話番号:(65)6516-2028

 

中央図書館・華語図書館が位置するシンガポール国立大学ケントリッジ・キャンパスは、市内中心部から車で20分ほどの場所にある。MRTの最寄り駅は複数あるが、筆者はCircle LineのKent Ridge駅を利用した。中心部から約30分。駅からは、95番またはA1番のバスに乗り、約10分で中央図書館の目の前に着く。なお、A1番は無料のキャンパス循環バスである。

その他の交通手段についても、図書館ホームページで詳しく紹介されている。http://libportal.nus.edu.sg/frontend/ms/central-library/about-central-library/getting-to-central-library

 

その他

食事

最も便利なのは、人文社会科学部の食堂である。図書館から渡り廊下を通って3分ほどの場所に、中華、マレー、インド、日本、など各種料理の店舗が集合している。その他にも、キャンパス内には数多くの食堂があり、どこも選択肢は豊富で価格は手頃だ。工学部の食堂で飲める「Campus Best Milk Tea」は、甘いけれど確かに美味しい。

 

参考

シンガポール国立大学図書館ホームページFAQ http://libfaq.nus.edu.sg/

戸田賢治.2005.「シンガポールにおける資料収集と留学案内」『日本マレーシア研究会会報』(33:24-28)

水島司.1991.「シンガポール国立文書館, 国立図書館, 国立大学収蔵資料とその利用について」『アジア・アフリカ言語文化研究所通信』(73:38-50)

 

基本情報

図書館ウェブサイト

http://libportal.nus.edu.sg/frontend/index

入館・閲覧に必要なもの 事前に氏名・所属・利用目的・利用期間を明記の上 askalib@nus.edu.sgへ連絡し、入館許可を得る。入館時には、このメールを印刷したものと、パスポートなどの身分証明書を合わせて提示する。
開館日時 学期中:月~金 8:00-22:00、土・日 9:30-16:30、祝 閉館長期休暇期間中:月~金 8:30-19:00、土 10:00-17:00、日・祝 閉館(訪問時には、上記ホームページにて最新の開館時間を確認のこと。)