おまたせ致しました。人気を博しているアジアンライブラリーカフェの第四弾を開催します!
今回は、夏の暑い盛りに、書字材料について3時間語り尽くします!
ASIAN LIBRARY CAFÉ: 004
文字を支える書字材料−パピルス・羊皮紙・紙・活版印刷−
2018年7月14日(土)14:00〜17:00
東京大学本郷キャンパス
定員50名 → 85名に増員しました
*申し込みが多数のため、事前予約者のみご参加頂けます。
<プログラム>
趣旨説明
永井正勝(東京大学附属図書館U-PARL特任准教授)
文字は、「書字者+筆記用具(ペンなど)+媒体(パピルス、羊皮紙、紙など)」によっておもに表現され、視覚的な図形として存在することになります。この、「書字者+筆記用具+媒体」の変遷と在り方について考えるために、3名の専門家をお招きして、お話をうかがうことに致しました。パピルス、羊皮紙、紙(本美濃紙、近江三椏紙、丹後竹紙なども含む)から始まり、制作道具もご用意致します。実物を目で見て、手で触り、その匂いを嗅ぎながら、文字を支える書字材料の世界をお楽しみ下さい。
アジア発祥の書字材料「パピルスと羊皮紙」 – その製法実演 –
八木健治(羊皮紙工房代表)
アジア発祥の書字材料は、やがて世界のスタンダードとなり、IT時代の現在でも必要不可欠な製品となっています。
本発表では書字材料発展の流れを概観したのち、パピルス紙と羊皮紙の作成技法について実演形式で解説します。
アジアの紙を俯瞰する – 情報伝達基盤のグローバリゼーション –
小島浩之(東京大学経済学研究科講師)
紙という記録媒体は、各地域の文化社会さらには紙以前の記録媒体の特性に影響されつつも、情報の発信者と受信者の相対的な関係により用途や機能に基づいて選択的に利用されています。このような紙のあり方についてヨーロッパとの比較も含めてお話しします。
活版印刷術の黎明 – デジタル時代のグーテンベルク聖書研究から考える –
安形麻理(慶應義塾大学文学部准教授)
15世紀半ばに始まった西洋の活版印刷術は、印刷革命と呼ばれるほどの大きな影響をもたらし、近代社会の成立に不可欠だったといわれています。本発表では、活版印刷術を概説したうえで、グーテンベルク聖書を題材にコンピュータを使った最新の分析と新たな謎についてお話します。
<実物閲覧の展示物(予定)>
*実際に手に取って閲覧することができます(展示物については写真撮影も可能です)。
1.パピルス関連
鉢植えのパピルス草、パピルス紙制作道具、エジプト末期王朝時代のカルトナージュ断片、プトレマイオス朝時代のパピルス文書断片(デモティック、ギリシャ文字)
2.羊皮紙関連
各種動物の羊皮紙、羊皮紙制作道具、ディドロ&ダランベール百科全書(1771年)の羊皮紙製造のページ、コプト語文書断片、ユダヤ教トーラー巻物(民数記完本)、羊皮紙コーラン零葉、エチオピアゲエズ語冊子、西洋中世写本零葉約15点、神聖ローマ皇帝カール5世の名で発行された叙爵証明書(16世紀、90ページの羊皮紙冊子)
3.紙関連
リネン服、紙漉き用簀桁、ディドロ&ダランベール百科全書(1751年)の製紙所ページ、叩解用スタンパーミニチュア模型、15世紀スペインの紙文書、15世紀アンダルシアのコーラン零葉、19世紀オスマン朝の紙製手書きコーラン(600ページほどほぼ完本)、その他近世のコーランや江戸・明治の和紙の本や巻物
4.活版印刷関連
ミニ活版印刷機、ペーターシェファー印行15世紀マインツの印刷物零葉、金属活字一式(現代)、江戸の版木、チベットの版木
*お申し込みを締め切らせて頂きました(6月26日)。
*申込者全員にメールを差し上げました(6月27日)。
*終了後、講師を交えて懇親会を開催する予定です。懇親会への参加を希望される方は7月5日17時までにお申し込み下さい。都合により7月8日17時以降は懇親会のキャンセルができませんので、ご承知おきの上でお申し込み下さい。