特任研究員 アクマタリエワ・ジャクシルク
Akmatalieva Jakshylyk
私が、初めて日本に来た時、どこからですか?と聞かれ、「キルギスから」と答えると、「イギリスから?」とか、「キリギリス?」とか、言われることがよくありました。そのたび「キルギスは中央アジアにある小さな山国で・・・」などと説明していました。
あれから何十年も経ち、今は、「キルギス人です」と言えば、説明しなくてもキルギスのことを知っていてくださる日本人が多くなってきた印象を受けています。
私は、そんなキルギスの中でも山奥の小さな村に生まれ育ちました。
子供の頃、村には自家用車はもちろんですが、バスでさえ通っていませんでした。当時の村人の移動手段は、基本的に馬やロバでした。水も井戸から汲んで飲んでいました。
それが、いまは、帰国するたび逆カルチャーショックを受けるぐらいに、急激に私の村も変わっています。当然、水も家の中の蛇口から出るし、車を持っている人も多くなってきています。山奥の遊牧民でさえ携帯電話を持っている時代です。
こんな田舎者の私が、今年の4月に世界をリードする東京大学に特任研究員として着任いたしました。皆さんも驚きでしょうが、一番驚いているのは自分自身かもしれません。
私は、皆さんにこれから、ネットにあふれている情報とは違う「生」の情報を発信できればと思います。
キルギスのこと、中央アジアのこと、中央ユーラシアのことについて知りたいと言う学生さんがいたら、気軽に聞きに来てください。
ちなみに、U-PARLには8人の職員がいます。この中の誰がキルギス人かは、すぐに見分けられないかもしれません。それは、日本人とキルギス人の顔立ちが似ているからです。ですから、「キルギス出身のアクマタリエワ ジャクシルク」と尋ねてくださいね。
では、これからよろしくお願いいたします。
3.Jun.2024