本部門の事務担当磯部さんのブログ記事で、中国に行くには「もう少しパワーを貯めないと」とありましたが、インドに行くにも多少のパワーその他、いろいろ必要なものがあります。いろいろありますが、とにかく絶対必要なのがビザであります。
インド留学のためのスチューデント・ビザ、特に博士課程留学に必要なリサーチ・ビザの取得の難しさをめぐっては、さまざまな苦労話がありますが、観光ビザでも、申請から取得まで、結構手間がかかります。オンラインで様々な項目を入力、登録してようやくできあがる申請書をもって、申請と受け取りに2回、東京茗荷谷か大阪堺筋本町のインドビザ申請センターに行かねばなりません(郵送サービスがありますが時間と手間はかかります。これらの面倒を避けたければ業者に委託することになります)。オンライン登録なのに結局センターにオンサイトしなくてはならないので、これなら以前のように申請書手書きの方が楽だった…と心密かに思っておりました。ところが。インド雑貨屋さんのメーリングリストから届いたメールに驚きの文字が…。
「[吉報]インドビザがオンラインで取得可能になりました」
…そんな都合のよいこと、本当なのでしょうか?慌てて読んで調べてみましたところ、確かに事実、ただし、普通の観光ビザではなく、あくまで「ツーリスト・ビザ・オン・アライバル(TVoA)」のみ、この11月27日よりオンラインで手続きが完了できるようになったとわかりました。日本を含む43ヵ国が対象です。
ツーリスト・ビザ・オン・アライバル自体は、2010年1月に運用が始まっており、日本は当初より対象国でした。インド観光ビザを到着時に空港で申請・取得できるという便利に思える仕組みですが、
・申請できるのは主要9都市の国際空港のみ
・有効期間は30日、入国は1回、申請は1年に2回まで(*一方、普通の観光ビザは6ヶ月有効・入国回数はマルティプルが選べます。)
・1回目に出国した日から2ヶ月以上経っていることが必要(*一方、2014年12月現在、「1度出国すると、2ヶ月間再入国できない」という観光ビザの再入国制限は解除されています。)
・申請料60ドルを現金払いしなくてはならない(*一方、日本でとる日本人向けの普通の観光ビザの料金は2156円。)
・審査に3時間くらいかかることもある(*日本からインドへ行く便は夜着になるものが多いのでこれもちょっと…。)
などなどの気になる要素があります。そしてなんといっても「本当にちゃんと入国できるのか…?」という不安がぬぐいがたいため、気軽には使いにくい制度でした。
しかしこのたび、この手続きを出発前にオンラインで完了できるようになったのです。手続きの詳細はインド内務省提供のこちらのページにありますが、
⑴オンラインで申請
⑵オンラインで支払い
⑶オンラインでETA(Electronic Travel Authority)を受け取り(*72時間内に完了する、はず、なので、到着日の4日前まで申請可能なのだそうです)
⑷ETAを印刷して忘れず持ってインドへ出発
ということで、大変便利です。有効期間やお値段等々の条件は変わらずとも、オンラインで簡単・確実に入国できる状態に至れるとなれば選択肢としての魅力は格段に増します。
インドの観光業界団体であるIATO(Indian Association of Tour Operators http://iato.in/WhyIATO.aspx)の会長、スバーシュ・ゴーヤル氏は、これは観光業を飛躍的に発展させる歴史的できごとである、IATOが四半世紀にわたって求めてきた改革を現政権は半年で実現させた、と喜びを語っています(http://trak.in/tags/business/2014/11/27/visa-on-arrival-evisa-approval-website/)。ビザ・オン・アライバルの改革はすでに昨年より対象国の拡大という形で始まっており、オンライン化については、秋の観光シーズンが始まるこの10月を目標に動いてきたものが、ついに実現したとのこと。期待通り世界のインドへの道を大きく開きインドの観光と経済の起爆剤となるか、楽しみです。しかしこうなるといろいろ期待が高まります。願わくば普通の観光ビザ、そしてあわよくばリサーチ・ビザも、オンライン化と迅速化を、よろしくお願いいたします。
U-PARL副部門長:冨澤かな